青木教授 まず、二つのことがあると思います。COVID-19に関しては、最初結構CT、特に日本は気軽にCTができるんで、CTの役割、またはCTでPCR検査が限られていてCTの代わりになるかっていう議論が2020年の3月、4月にあったと思います。それに関して言うと、日本医学放射線学会のホームページにも書いてあるんですけど、限定された条件で代わりに使ってもいいぐらいのコメントになっています(※1)。つまり、PCRが足りないことが悪いんで、PCRを増やす方がいいんですけど、どうしてもできないんだったらCTでPCRの代用をしてもいいだろうと。ただし、フォールスポジティブ、他の間質性肺炎や他のCOVID-19じゃないウィルス性肺炎をみんな間違えてCOVID-19と言う可能性が高いというのは、人が見てもそうだったので、AIも恐らくそうだろうとみんな思っていました。6月頃に導入される辺りでも、多分専門家はあんまり期待もしてないし、やっても意味ないかなとは思ってたんです。一方で、周りを見渡すと研究助成や投資などを背景にしてCOVID-19関係をやる方が増えてきました。
そういった状況の中で、放射線学会として何ができるかよく考えて、COVID-19と思われる症例を見つけたら登録しましょうっていうサーベイランスシステムを作っていました。COVID-19の検査数だけはわかるわけですよね。するとちゃんとそいつが、第一波第二波を捉えてたんで、これを使ってもしかしたら全くPCR検査と独立に流行が観察できるかもしれない、だから公衆衛生の観点から良いかもしれないと。津々浦々CTが普及してる日本の特徴みたいなので、日本の放射線学会としてサーベイランスしてよかった。ただ、これは人がやらなくてもいいよねと。
七つの大学病院と国立国際医療センター、東大、京大、阪大、九大、岡大、慶応、順天っていうかなり大きい方の代表的な七つの大学からのデータが全てJ-MID(※2)というシステムで集約されています。今、大体70万件ぐらい、2億枚ぐらいのデータが九大に置かれているで、それを活かして、それ全部人が見るの大変だけど、それをAIがCOVID-19らしいやつを分類してくれたらそれだけサーベイランスが可能なので、そこでAIを活用する方法もあるかなと思っています。
変化の少ない症例は真面目に人が追うのは骨が折れますが、一生懸命変化なく見続けることができるのはAIなので、サーベイランスにはすごくいいんじゃないかと思います。9月ぐらいに名古屋の森健策先生たちCOVID-19用のものを作ってくださり、これからそれを実際に実装してスクリーニングに、サーベイランスに使えたらいいなと考えています。
パターン分類もちょっとはするので、恐らくコロナの時にAIを用いたサーベイランスシステムが稼働していたら、変なウィルス肺炎が増えてますぐらいならわかるかもしれない。その所見が、特定のものができていくのが、ちょっと種類が違っても、集めるインフラができてたらすぐにちょっとしたAIができたら、後はサーベイランスしてれば流行がわかると。