村山先生 今までの読影時間と比較して、どのくらい短くなったか、長くなったかですが、画像をしっかり見るようになり、感覚としては以前よりも少し時間がかかるようになりました。今までは1、2ミリぐらいの結節は意識になかったためです。全ての血管の一部と思っていたかもしれません。PLNを導入して、ほとんどの人が2ミリほどの結節をもっていることがわかりました。(※)
昔、Swensen先生が胸部CTの検診を始めた際に、70%ぐらいの人は、みんな結節を持っているという論文がありましたが、それはアメリカの被検者の特徴で、日本人で結節を持っている人は少ないと思っていました。しかし、PLNを使うと、ほとんどの人が2ミリ異常の結節を持っていたので、Swensenさんが言っていたことがその通りだとわかりました。そして、読影する患者は2ミリ以上の結節をほぼ持っているはずと、考えが変わりました。
胸膜の近くに肺内リンパ節がありますが、そのような小さなものが、ほとんどの人に存在していることになります。どのような判断にするか悩みましたが、ほとんどの人が持っている2ミリくらいの結節は有意な大きさではないので、「微小結節が数個認められますが有意な結節ではないと思います」という所見にしています。3ミリ異常で円形、あるいは5ミリ異常で円形、あるいは5ミリ異常の結節には気を付けます。3ミリはほとんど悪性ではありませんが、5ミリ異常になると有意かもしれない可能性が高くなり、初期段階かもしれないので、レポートをしっかり書いています。
以上述べたように、さらに小さい結節がたくさん存在することが、今ではわかりましたが、PLNを導入するまではわかりませんでした。そのくらい自分の中ではパラダイムシフトが起こりました。